Kodomobot Article
Scratchを大きく直す前に、親子で10分「変更前メモ」を残そう|試しやすくなる3つの記録
子どもがScratchの作品を作っていると、「背景も変えたい」「点数のルールも足したい」と、いくつものアイデアが一度に出ることがあります。やってみたい気持ちは大切にしたい一方で、今うまく動いているところまで分からなくなったら、子どもががっかりしそう、と感じる保護者もいるでしょう。
そんなときは、大きく変える前に親子で変更前メモを10分だけ残してみてください。メモするのは「いま何ができているか」「次に一つだけ変えたいこと」「変えた後に何を確かめるか」です。作品を完璧に記録するためではありません。安心して試し、うまくいかなければ前の考えに戻れるようにする、小さな目印です。
結論:変える前に「今できている一つ」を残そう
作品を育てるときは、前の状態が何も残っていないと、「どこから変になったのか」が分かりにくくなります。そこで、変える前に画面を一枚残し、今できていることを一文にします。
たとえば、次のような一文で十分です。
- 緑の旗を押すと、宇宙船が右へ動く
- ねこに触れると、音が一回鳴る
- クイズで正しい答えを押すと、点が一つ増える
Scratch Foundationの「Scratch Design Journal」は、作品づくりの各段階で、想像する・計画する・試す・振り返るためのワークシートとして紹介されています。※ 家庭の変更前メモは、その考え方を一つの作品に気軽に使う方法です。記録の上手さより、「今の作品を見てから次を試す」順番を大切にします。

親子でできる「変更前メモ」10分
用意するのは紙一枚とペンだけです。画面を保存できるなら、スクリーンショットを一枚添えます。保存の方法やコピーできる範囲は使っている端末・サービスで違うため、保護者がその時点の公式ヘルプや設定を確認してください。紙に簡単な絵を描く方法でも構いません。
1. 今できていることを一つ選ぶ(2分)
最初に、作品を一度だけ動かします。そして子どもに聞きます。
「今の作品で、ちゃんとできているところはどこ?」
一つ選んだら、主語と動きを入れて書きます。「ゲームができている」ではなく、「旗を押すと、船が動く」のように具体的にします。できている部分を先に見つけると、直すところだけを見る時間になりにくくなります。
2. 画面を一枚、または絵を一つ残す(2分)
次に、今の画面を一枚残します。スクリーンショットを保存しても、ノートにキャラクターと動きの矢印だけ描いても大丈夫です。作品のタイトルや日付を書ける子は書き、難しい場合は保護者が代筆します。
家族以外に画像を送ったり、AIに相談したりする予定がある場合は、名前、学校名、友だちの顔、公開したくない作品URLなどが写っていないかを先に確認します。共有しないなら、家庭の中で見返すためのメモとして残すだけで十分です。
3. 次に変えることを一つに絞る(2分)
「背景も、音も、敵も変える」ではなく、最初の一手を一つ選びます。
- 背景の色を夜にする
- 宇宙船が上へも動くようにする
- 正解したときの音を変える
- 最初の問題を一問だけ増やす
保護者は「全部できたら見せて」と急がず、「次に押すブロックはどれ?」「変えたことが分かるのは、どの場面?」と聞いてみてください。小さく決めると、後で何を試したかを思い出しやすくなります。
4. 変えた後に見る場面を決める(2分)
変更前メモの最後に、確かめる場面を一つ書きます。
変えた後は、旗を押して宇宙船が上へ動くか見る。
ここで決めるのは「成功するか」ではなく、「何を見ればよいか」です。思った通りに動かなかったら、変更前の画面と一文を見比べて、どこからもう一度試すか考えます。
5. 10分で一度閉じる(2分)
最後に、作品を保存するか、次に開く場所を家族で確認して、いったん画面を閉じます。使っているサービスで保存・複製・共有の扱いが分からないときは、急いで上書きや削除をせず、保護者が公式ヘルプを確認してからにします。
変更がまだ終わっていなくても大丈夫です。「今できていること」と「次に見たいこと」が残れば、その日は十分です。次回は、メモの一文から始められます。
AIにアイデアやコード例を聞くなら、変更前メモを質問の土台にする
AIに「ゲームを面白くして」とだけ頼むと、子どもが何を変えたかったのかが見えにくくなることがあります。変更前メモがあれば、質問を一つに絞れます。
今は宇宙船が右へ動く。上へ動くための考え方を、Scratchの初心者にも分かる言葉で三つ教えて。
AIの案をそのまま入れる必要はありません。出てきた案のうち一つだけを選び、作品で実際に試します。質問に画面を添える場合も、個人情報や公開したくない部分を含めないよう保護者が確認してください。
親が使いやすい声かけ
- 「今の作品で、残しておきたい動きはどこ?」
- 「次に変えるのは、一つだけなら何にする?」
- 「変えた後、どの場面を見たら分かるかな?」
- 「前の画面と比べると、何が変わった?」
- 「分からない保存の操作は、いったん大人と公式ヘルプで確かめよう」
保護者が作品の正解を決める必要はありません。子どもが変える前の考えと、変えた後に見たいことを言葉にできれば、次の試行錯誤につながります。
今日からの小さな一歩
次に子どもが「ここを大きく変えたい」と言ったら、紙を三つに分けてください。
今できていること/次に一つ変えること/変えた後に見ること
各欄が一言ずつ埋まれば、10分の変更前メモは完成です。変更をこわがらずに試せるよう、作品の「今」を一緒に残してみましょう。
よくある質問
スクリーンショットを撮る方法が分からない場合は?
キャラクター、背景、動きを矢印で紙に描くだけで大丈夫です。「何が動くはずだったか」を残せれば、きれいな画像である必要はありません。端末での保存方法は、保護者が公式ヘルプを確認してから試します。
子どもが一度にいくつも変えたがるときは?
全部を止める必要はありません。「まず一番変えたい一つだけ、10分で試してみよう」と順番を提案します。次に変えたいことは、二つ目のメモとして残せば、アイデアを忘れずに済みます。
前の状態へ戻せなかったら、どうすればよいですか?
画面の記録と「今できていたこと」の一文を見ながら、最初に戻したい動きを一つ選びます。無理にその場で元に戻そうとせず、次回の困りごとメモにして、保護者・先生・公式ヘルプなどに相談する方法もあります。保存や復元の機能はサービスや端末によって異なるため、公開や削除を急がないことが大切です。
公開時に確認する関連リンク
- Scratchで「動かない!」と言われたら? 親子10分「困りごとメモ」で原因を小さくしよう — 変更後に想定どおり動かないときの、原因を小さくする方法
- 子どものプログラミング、終わりどきに「次の一手メモ」を残そう|親子で10分のふり返り — 次回の制作へつなぐ終わり方
- Scratchのリミックス、親子で10分「借りたものメモ」を作ろう — 参考にした作品と自分の工夫を整理する方法
公開前に、各記事の公開状態、URL、リンク先の内容を確認します。
参考にした公式情報
- Scratch Foundation:Scratch Design Journal — 作品づくりの各段階で、想像・計画・試行・振り返りを行うための公式ワークシート
- Scratch Foundation:Debugging — 意図どおりに動かないときの問題を見つけて直すための公式リソース
- 文部科学省:小学校プログラミング教育の手引(第三版) — 小学校段階のプログラミング教育の考え方を確認するための資料
※ Scratch Foundationは、Scratch Design Journalを、作品開発の全段階を通じて想像・計画・試行・振り返りを支えるワークシートとして紹介しています。本記事は、家庭での記録による学習効果を断定するものではありません。
この記事が役に立ったら、ミントに教えてください。